事務局に寄せられたご質問を原キョウコさんにお答えいただきました。

1、ダンスセラピーではどのようなことが解決できますか。
原キョウコの行なっているダンスセラピーでは
・微細な身体感覚への気づき
・感情や思考や記憶に凌駕されない身体軸を作る
・身体の奥から湧き起こるまだ形にならない象徴を動きとして顕していく
・動いてみることで自分に課している制限に気づき、そのブロックを外していく

ということを大きなポイントとしています。
身体心理学の観点からはストレス反応に対処するボディワーク/非合理思考を合理思考に変えるなどのコーピングをしていくことができますが、それに加え社会の中での身体と感覚、感情、無意識に働きかけるダンスセラピーでは、これらの問題に直接的に向かい合うというよりも自分自身の「現在」そのものへの問いかけを純粋にできうる機会であり、それゆえに一つの「解」に限定されない可能性が大きいと思います。
まだ気づいていない何ものかが引き出されてくる、ということですね。

そして動くことは、あらゆる動物が持つ本能でありその本能を刺激することによる「生命力の発露」はその人そのものの生きるエネルギーを取り戻し表現という行為を行うことで自分の思いや考えを外に出すことへの「恐れ」を減少させるものと思います。

2、 ワークショップに参加することでどんなことが得られますか。
自分自身の本質や可能性と出会うこと。
自分にしかないもの
誰とも比べることができないもの
身体の中に埋もれている希望や宝箱のようなもの

それに気づくこと。
または過去を解き放ち、新たな道への第一歩を獲得すること。
世界の見え方が変わり
世界との関わり方が少しでも変わること。
「身体」というものの捉え方が変わり

自分自身で「軸」を作っていく、という「意志」につながっていけばと思います。
3、興味はあるのですがシャーマンという言葉に少し恐れを感じてしまいます。 ワークショップでは、どんなことをするのでしょうか?
そもそもシャーマンとは何か、ということですが、この呼称はシャマンというツングース語であり、ロシアを通じて各国に広まったものです。日本においてはユタやイタコが有名ですが、全てのシャーマンが特殊な精神状態で何かを降ろしたりするものではなく、薬草を使って傷を治したり料理を作ったり、手仕事を通して祈りやを織り込んだものをこしらえたり、家族の健康や日々の願いを叶えるための

小さな祈りやおまじないから始まったものであると思っています。
例えば第二次大戦参戦後、出征兵士の無事を願って街行く女性たちが協力して作った「千人針」なども、祈りのこもった呪い(まじない)の一つと考えられます。

その奥底にある不安と悲しみ、そして愛情が伝わってきますね。

こういう行為はどこの国でも女性たちの手によって紡がれてきたものです。
これも「内なるシャーマン」の発現ではないでしょうか。

「癒す/占う/祈る」を含め、「天地人をつなぐ」ことがシャーマンの大きな役割ですが

自然の声を聞き取り、交感すること。そのための微細な身体感覚を持つこと。
予兆を受け取れること。

見えないものにいたずらに怯えない判断力と境界線を持つこと。
それを鍛錬していくことと思います。

そういう意味では原キョウコが行っているワークは、積み重ねていくことで「シャーマニックボディ」を作るベースになっていると思います。
感覚を研ぎ澄ませていけば必然的につながっていくことです。


自分の頭で考え、自分が信じたことを行なうということが

社会が不安定になったり、過度に統制されると当たり前でなくなる。

希望を持てなくなり、他者に不寛容になり、無気力感に苛まれる方もいます。

自分の信じること、やりたいことやミッションを

身体という軸を作り、感じ取り、実践していくこと。

険しい山に登ったり、滝に打たれるなどの古来の男性的な修行ではなく

街場の日常で、まずは自分の感覚と直感を掘り起こし

「内なるシャーマン」や「内なる魔女」を豊かに育てていく。

それが今回も(これからの自分の仕事も)テーマとなるものです。

身体の微細な感覚を引き出すためのワークを含め

思考や分析ではなく、感覚や直感を育てていくワークを行う予定ですが

その先は秘密です(笑)

というより、その時その場に集まった方達のエナジーが呼び起こす何かがあるからです。

そのエナジーを感じ、形にしていくのがモダンシャーマンの仕事の一つと考えています。

すみれさんも私もガチガチに決め込んでその通りにセッションを提供するタイプではないので

その場の「ギフト」が降りてくる瞬間があると思います。

どうぞお楽しみに。

4、たくさんの実績をお持ちですが、原キョウコさんが特に力を入れているのはどのような活動でしょうか。
現在は大まかに二つあります。

一つは、シャーマニズムとダンスの関わり
ここ何年か縄文や古代祭祀のフィールドワークと研究に熱が入っています。

それらの遺跡や山の中、小さな祠のあるところ等で踊りを捧げる

「巡礼ダンスプロジェクト」を3年前から行なっています。

ひとりの「歩き巫女」であり、「踊り巫女」としての活動です。

そこから得た経験もヒントに
「モダンシャーマニズム/ネオシャーマニズム」という文脈で

Dance Shaman Scoolというプロジェクトを立ち上げました。

セラピーを超えて、
自己探求/自然と人間と社会との新しい関わり方/祈りとダンスのコネクト

本来の意味でのスピリチュアリティと身体性を育む/
ということを、ダンスだけではなく

様々な手法を(伝統的なものもオリジナルなものも含め)通して実践していきます。

(DSSに興味のある方は原キョウコまでお問合せ下さい)


もう一つは「セルフケア」ということ。

どの職種にも当てはまることではありますが
とりわけ支援や援助を職業にしている方の心身の「セルフケア」については

セルフケアという概念を広めること、具体的に何を提供するかということを
看護師、PSWなどの方達と話し合い形にしている最中です。

援助職というのは「感情労働」「自己犠牲」が当然のように要求される仕事です。
これは家庭での介護についても同様です。
燃え尽きや支援者の二次受傷を防ぐこと、

援助者自身が自分の心身を守るスキルを身につけることが肝要ですが、

その必要性を知らずに仕事をされている人がびっくりするほど多いです。

これは日本ではあまりに軽視されていますので急務かなと。

同様に考えていらっしゃる方々とも意見を交わせたらと思っています。

お目にかかった時はどうぞお声かけください。

5、原キョウコさんにとってのダンスセラピーとは。
愛と勇気と希望と修行と煉獄とこちらとあちらの世界と、ありとあらゆるものが含まれるもの。

たくさんの身体とその内にある魂と出会える場。

思いがけない美しさの発現に立ち会える場。

ホールド力を問われる場。

動きと静けさ、意識と無意識、身体と言語をつなぐもの。

セラピーということすら超えてしまったもの。

時空を超えて何かが起きるところ。
6、ダンスセラピーの世界に入るきっかけはどんなことでしょうか。
舞踏とインプロビゼーションダンスの稽古を続けていた時期に

ダンサーの岩下徹氏に出会い、岩下さんがセッションを行っていた

滋賀の湖南病院に見学に行ったこと。

それが精神科病院という「場」との初めての出会いであり、

精神科でセッションをしようと決意したきっかけでした 。

また、実家が開業医をしていたのですが
病に対応する方法として、身体そのものにアプローチする視点が
西洋医学には非常に少ないと感じたことからです。
その後、臨床心理学を主とする勉強を始めた頃に

ある研究会でご一緒した方が精神科医で

そちらの大学病院でグループセッションを3年ほど担当させていただきました。

そこから23年、精神科臨床を続けています。
7、これまでの人生の中で今の活動に通じる、心に残るエピソードはありますか。
8、ご参加のみなさまへのメッセージをお願いします。
生きてあること、起こることすべてを大切に味わってください。

何ものをも消費しないこと。

内なる自然とつながってください。

都会の中の緑やちょっと足を伸ばして豊かな自然環境ともつながってください。

自然からいただくエネルギーは、私たちが思っている以上に

豊饒であり、心身にとてもいい影響を与え続けてくれています。

そしてそれに感謝を。

大いなる自然のエネルギーを受け取り 、
もっと豊かに心地よく生きていくための 身心の技法を
WSでこれからもみなさんにお伝えしたいと思っております。

踊ることは自分の本質に立ち返ること。一歩踏み出してみれば世界が変わります。

ご自身のかけがえのない「身体という聖域」を寿ぐことであり
内包する魂そのものと交歓することです。

いわば人生の中の祭りの時空のようなものです。

楽しみましょう!

原キョウコさんのダンスセラピーは、こちらの動画も合わせてご覧ください。

  • ダンスが苦手ですが参加できますか?

  • どのような方に受けていただきたいですか?

  • ダンスセラピーではいつもどんな事をするのですか?

ACL(アーツ・コミュニケーション・ラボ)通信
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